BONUS

イラスト:我喜屋位瑳務

第1回「超連結クリエイション」のアーカイヴ

2014年12月10日(水曜日)、六本木Super Deluxeにて「BONUS 超連結クリエイション」という名のイベントが行われました。100人を超える観客が見守るなか、トータルで3時間30分を超えるプログラムが展開されました。このページでは、アーカイヴを兼ねる形で、当日の模様を再現してみます。

オープニング
19:00-19:10

オープニング(露払い)として、Aokidに「雨に唄えば」のダンスを踊ってもらいました。

プログラム1 映像の上映
19:10-20:30

第1回「連結クリエイション」にて作家の方々に依頼したテーマをもとに映像が集まりました。テーマは「『雨に唄えば』のあの場面を解釈して映像のダンスを制作してください」でした。また、ニコニコ動画の機能を利用して、作家の方々の映像を一旦ニコニコ動画にアップロードして、ディレクター木村が依頼した書き手の方にコメントを書き込んでもらい、その映像(これを「ニコニコ動画ダンス批評」と呼んだ)も併映しました。当日はSuper Deluxeの横幅の広い空間を利用して、三画面からの上映(真ん中にもとの映像、両脇からニコニコ動画ダンス批評の映像)を行いました。ちなみに、提出された映像の性質上、Aokid×たかくらかずきには、ニコニコ動画ダンス批評は作成されませんでした。また、この2人のプロジェクトでは、まずAokidが動画を撮影し、たかくらかずきはその動画に映るAokidのダンスをもとにGIFを制作するという手順で作業が進行しました。


singing in the wind / never ending dance

Tumblr

VEHICLE figure test drive: IN THE RAIN

ニコニコ動画ダンス批評

yo
大谷能生(ミュージシャン、批評家)
o
岡田利規(チェルフィッチュ主宰)
kk
小林耕平(美術家)
ks
木村覚(BONUS)
緑色(s)
篠田千明(演出家)
n
中島那奈子(ダンス研究者)
h
平倉圭(研究者。芸術理論)
その他、書き手不明も含まれます(このなかの誰か)
*敬称略
*この動画には音声はありません。

神村・福留・小林・雨に唄えば

ニコニコ動画ダンス批評

yo
大谷能生(ミュージシャン、批評家)
o
岡田利規(チェルフィッチュ主宰)
kk
小林耕平(美術家)
ks
木村覚(BONUS)
緑色(s)
篠田千明(演出家)
n
中島那奈子(ダンス研究者)
h
平倉圭(研究者。芸術理論)
その他、書き手不明も含まれます(このなかの誰か)
*敬称略
*この動画には音声はありません。

雨娘

ニコニコ動画ダンス批評

yo
大谷能生(ミュージシャン、批評家)
o
岡田利規(チェルフィッチュ主宰)
kk
小林耕平(美術家)
ks
木村覚(BONUS)
緑色(s)
篠田千明(演出家)
n
中島那奈子(ダンス研究者)
h
平倉圭(研究者。芸術理論)
その他、書き手不明も含まれます(このなかの誰か)
*敬称略
*この動画には音声はありません。

プログラム2 リクリエイション(Re-creation)
20:30-21:40

映像の上映後、さっそく映像を制作した作家に登壇してもらって、どのような意図でこの映像が生まれたのかについて説明をしてもらいました。さらにこの映像を基に展開するリクリエイションへと進んでいきました。リクリエイションを円滑に行う都合上、作家を2組に分けた。前半の岡田智代と小林耕平の組では、「1分で家を作る動き」というタイトルのパフォーマンスが行われました。後半の宇治野宗輝、Aokid、たかくらかずきの組では、宇治野の「機械的な身体」、Aokidの「人間の身体」、たかくらかずきの「GIFの身体」が並置され、それぞれを比較する実験として、パフォーマンスが行われました。

プログラム3 アフター・トーク&レクチャー
21:40-22:40

プログラム1と2を受けて、プログラム3では2人のゲストにレクチャーをしてもらいました。真鍋さんからは「テクノロジーとダンス」を交差させる数々の取り組みについて紹介してもらいました(宇治野+Aokid+たかくらかずきのパフォーマンスについての感想も冒頭で聞いた)。平倉さんからはプログラム2で上演された岡田と小林のパフォーマンスを、撮影された映像を分析しながら、緻密な考察を行ってもらいました。

公開準備中

最後に、木村宛に頂戴した感想メールを掲載します。意見を観客になってくれたみなさんはきっと色々な意見をお持ちなのだろうと思います。プログラム1では、上映の途中で映像が止まってしまったり、不測の事態も起こりました。次回に活かしたいと思いますので、ぜひ今後もご感想をお聞かせください。

お越し下さった観客のみなさん、ありがとうございました。

2015.3.4
木村覚


萩原雄太(かもめマシーン)

木村さんへ

先日はお疲れ様でした。
陰ながら集客については、不安だったのでまず人がたくさん入って一安心でした。
若い演劇関係の人間もちらほら見かけたので、
彼らにとっても何かを考える材料になったのではないかと思います。

イベント自体もさまざまな新たなダンスの形が提示されて刺激的でした。
特に、個人的にはテクノロジやメカニカルなどとの組み合わせに対して、
発見がありました。

ダンスから「人」の要素を薄めることが、身体を見る上で、ひとつ有効な視線なのではないか。
けれども、どうしても「擬人化」みたいな視線が介在して、純粋にモノとしては見れない……みたいなもどかしさも感じました。

イベント全体としてはBONUS=木村さんとして、
もっと「ダンスはこれだ!」ということが強く打ち出されても良かったんじゃないかなと思います。
総花的にしてそこから観客が勝手に受け取っていくという方向は自由さを得られますが、
「ダンスをつくる」ためのプラットフォームとしては、「ダンス」が何なのか、それをもっと強く打ち出してくれる方が、賛同も反発もし易いと思います。

どのような形であれ、「ダンスを作る」ことはとても重要であり、
かつ「ダンスが作られない」のであれば、未来が乏しいなあという危惧があります
(無論、演劇も同様です)


岩渕貞太(振付家)

木村さんへ

今日観た作品やパフォーマンスが傑作であるとかそうでないとか
ということではなく、ダンスの作家が何を考えてつくっているのか
どんなことを感じて踊っているのかの過程を見聞きしながら
わかってく楽しみを感じました。
岡田智代さんや小林耕平さんは雨に歌えばの解釈というより、
結果としてそれぞれにとっての課題が生まれていって、
それに取り組む過程からこちらも自分なりに発見していくことが面白かったです。
現代美術や映像、演劇などの作家さんはダンスの作家より
思考を言葉にすることが長けていると思うことがしばしばですが、
身体から思考するダンス作家からも刺激を与えられ
お互いに面白がれる部分があると強く感じました。
日本のコンテンポラリーダンスの振付家は外に言葉を発する機会が
少ないですし、稽古場でもダンサーの間では身体で伝えられる部分や、
踊るもの同士で通じる言葉遣いが多かったり、言葉が成熟していきにくい
ことはあると思います。
様々な分野の方たちと交流のある木村さんがBONUSをやっていることで
ダンスに限らないアーティストや批評家、学者などと顔を合わせ
話したり、時にはクリエイションをしたりというこの機会が
今後のダンスの広がりをつくるだろうと感じました。
作家だけでなく観客も含めてダンスが成熟していく「場」になると希望を
感じました。
作品の結果を求めるのでなく、その過程をダンスに関わる人たち(観客、作家、批評家など)が共有していくことを続けてほしいなと思いました。
長く続けてくださることを強く願います。応援してます。
本当にお疲れ様でした。


大高崇(放送局勤務)

木村さんへ
たいへん刺激的な夜でした。感謝しております。
一観客として、途中からずっと、「制約と解放」や「記録と記憶」などの間を思考がうろうろし、それが大変心地よかったです。
私が到着したころ、神村、小林、福留の各氏による川辺の映像上映中で、映像・音声のトラブルもあり大変だったかと思いますが、私にとってはむしろ映像が静止画の連続であること、音がないことによって想像で解釈の幅が拡がることを改めて実感し、まるでこの日のための「映像自身による創作ダンス」を見るようで、
新鮮な体験でした。これは決して皮肉などではなく、ほんとにそうでした。
ダンスを保存し再生することは大変興味深いものですね。映像として制作されたダンスをその場で体感していない私にとっては、昨夜は昨夜だけの感じ方があり、それが記憶に残ります。しかし、すでに今、私の脳内では記憶の収縮が起こり、記憶は別物になっているはずです。そこで改めて今、ネット上で昨夜見た映像を見ると、昨夜見たものと同一の映像作品であるはずなのに、まったく別のダンスに見えて、別の記憶が生まれる。何が本物のダンスか、この、固定されているはずなのに固定されていないことの不安定な心地よさが、映像の力のような気がします。
とりとめなく書いてしまいますが・・・(汗
真鍋さん(でしたっけ?)が、ドローンなどによって「制約」することで、新しいダンスを触発する狙いを語られていましたが、「制約を与えることで何が生まれるか」が、私には一貫したテーマだったと思えました。
そもそも映像とは制約の塊だと思います。
見る側にとっての視野は相当限定されますし、撮る側は、さらに多くの制約を受けます。映画の「雨にうたえば」のあのシーン、私の第一印象は「うわ、金も手間暇も半端ねえな!」でした。撮影するスタジオでは、1カットごと撮っているはずですが、その都度、ジーンケリーはぶつ切りに踊り、カメラマン、照明マン、雨を降らす大道具、それぞれに付くアシスタントが相当回数のリハーサルを経て、カットごとの立ち位置や動き方を守り、なんだかんだであの数分のために、何日もかかったでしょう。
まるで家を建築する大工さんたちが、それぞれの持ち場で設計図通り、スケジュール通りに完成させるために、制約だらけの中で黙々と仕事していたことでしょう。
しかし、最終的には、観客がケリーと共にダンスできるような、解放感を与えるものになる、この面白さ。
・・・う~ん、自分でも何が言いたいかわからなくなってきてしまいましたし、腹もへってきたので、勝手ながらここで失礼しますm(_)m
とにかく、面白かったです! 今度開催する際は、いい席に座れるように早めに行きます。
同僚や友人も誘おうかと思います。

2018.10.18
超連結クリエイション
第5回「超連結クリエイション」の アーカイヴ
2018.01.10
超連結クリエイション vol. 5
サバイバー/媒介者/誘惑者/観察者を作るワークショップ
2018年1月28日(日)12:00- @京都造形芸術大学studio21
2017.11.20
超連結クリエイション vol. 5 in Tokyo
サバイバー/媒介者/誘惑者を作るためのトーク&ワークショップ
2017.06.13
第5回連結クリエイション関連企画
7/7 - 7/8、7/9
「未来のワークショップを創作する」ための研究会[参加者募集!!]
2017.05.29
連結クリエイション
手塚夏子の三夜 アーカイヴ
2017.05.26
超連結クリエイション
第4回「超連結クリエイション」のアーカイヴ
2017.05.24
連結クリエイション
古後奈緒子「BONUSで考えたこと」
第3回「超連結クリエイション」
2016.12.16
連結クリエイション
「秘密のダンスは何処にある?」WSのアーカイヴ
超連結クリエイション vol. 4
テクノロジー×ダンス×X(社会的課題)
2017年1月18日(水)19:30
@ 東京工業大学 西9号館ディジタル多目的ホール
2016.12.12
連結クリエイション
石谷治寛「障害とダンス」
第3回「超連結クリエイション」
2016.12.12
超連結クリエイション
第3回「超連結クリエイション」のアーカイヴ
2016.10.07
連結クリエイション
テクノロジー×ダンス×X(社会的課題)関連企画
10/28、10/29
継承の「媒体」としての身体/動画をめぐって
砂連尾理トーク&ワークショップ・イン・トーキョー
2016.09.29
連結クリエイション
テクノロジー×ダンス×X(社会的課題)関連企画
11/8、11/13
秘密のダンスは何処にある?
2016.08.24
連結クリエイション 第4回のテーマ
テクノロジー×ダンス×X(社会的課題)
2016.08.23
連結クリエイション
テクノロジー×ダンス×X(社会的課題)関連企画
9/12、9/13、10/12
手塚夏子の三夜 「トレース」をめぐって
2016.06.17
連結クリエイション
第2回「超連結クリエイション」のアーカイヴ
2016.05.08
連結クリエイション
新井祥さんに学生たちが聞いた「性愛と表現」とくにLGBTのこと
2016.03.19
連結クリエイション
岡田育さんに学生たちが聞いた「性愛と表現」とくにBLのこと (2)
2016.03.19
連結クリエイション
岡田育さんに学生たちが聞いた「性愛と表現」とくにBLのこと (1)
第3回 超連結クリエイション
2016年1月24日(日)17:00 @ 京都芸術劇場studio21
参加メンバー:塚原悠也 野上絹代 砂連尾理
ゲスト:熊谷晋一郎 石谷治寛 古後奈緒子 伊藤亜紗(司会:木村覚)
2015.11.02
連結クリエイション
捩子ぴじん×木村覚 メール書簡
2015.11.02
連結クリエイション
市原佐都子さんが飴屋法水さんに動物の性の営みについてきいたときのこと
第2回 超連結クリエイション 牧神の午後編
2015年12月16日(水)19:30 @ VACANT
参加メンバー:捩子ぴじん 市原佐都子 高田冬彦
ゲスト:会田誠 飴屋法水 Aokid 山内祥太
2015.10.01
連結クリエイション
BONUS ダンス演習室 第3回 まとめ
2015.10.01
連結クリエイション
高田冬彦×木村覚 (3) スカイプ対談
第3回連結クリエイション
障害者との共生:障害者とともにダンスは進化する
連結クリエイション
市原佐都子×木村覚 メール書簡
QへのQえすちょん (2) 雑交性
連結クリエイション
高田冬彦×木村覚 (2) メール書簡
連結クリエイション
BONUS ダンス演習室 第1回 まとめ
連結クリエイション
リローデッド「即興二番」
Part 2(2日目:2011/06/04)室伏鴻×大谷能生×木村覚
連結クリエイション
リローデッド「即興二番」
Part 1(1日目:2011/06/03)室伏鴻×大谷能生×木村覚
連結クリエイション
市原佐都子×木村覚 メール書簡
QへのQえすちょん (1) 侵入の感覚
連結クリエイション
高田冬彦×木村覚 (1) メール書簡
BONUS ダンス演習室
BONUS Dance Laboratory: BDL
篠田千明、大谷能生、捩子ぴじん、木村覚、Aokid、望月美里
第2回連結クリエイション 公募企画
りみっくす・おぶ・ふぉーん
連結クリエイション 第2回のテーマ
ニジンスキー『牧神の午後』を解釈して映像のダンスを制作してください
連結クリエイション
第1回「超連結クリエイション」のアーカイヴ
超連結クリエイション
2014年12月10日(水)19:00 @ スーパー・デラックス
Aokid+たかくらかずき 岡田智代 小林耕平 宇治野宗輝
真鍋大度 平倉圭 木村覚
連結クリエイション 岡田智代
雨娘
連結クリエイション 宇治野宗輝
VEHICLE figure test drive: IN THE RAIN
連結クリエイション 小林耕平
神村・福留・小林・雨に唄えば
連結クリエイション
岡田智代(チームよーとも)制作記
(2) 振り付けの伝授
連結クリエイション
小林耕平・神村恵・福留麻里・木村覚 チャット・ミーティング
連結クリエイション
Aokid×木村覚 メール書簡
2014/8/17 - 8/24
連結クリエイション
岡田智代(チームよーとも)制作記
(1) 振り付けとものまね
連結クリエイション
宇治野宗輝×木村覚 メール書簡
2014/8/1 - 8/4
連結クリエイション
小林耕平×木村覚 メール書簡
(2) 2014/7/31 - 8/2
連結クリエイション
小林耕平×木村覚 メール書簡
(1) 2014/6/30 - 7/8
連結クリエイション 第1回のテーマ
『雨に唄えば』のあの場面を解釈して映像のダンスを制作してください
連結クリエイション
連結クリエイションとは